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  ニュース     2024/07/08 20:57

ベトナム:国内鉄鋼生産7%増予測、輸入急増に課題も=業界団体 無料記事

 業界団体のベトナム鉄鋼協会(VSA)は、2024年の国内鉄鋼生産が7~8%成長すると予想している。ただし安価な中国製の輸入増加で価格競争が激化するなど、課題は多いとしている。ベトナムニュースが8日付で伝えた。

 国内の粗鋼の年産能力は現在2300万トン。建築用鋼材や鋼板、鋼管など完成品の年産能力は3860万トンに上る。VSAは24年の完成品生産量が前年比7%増の3000万トンに達すると予想するが、先行き不安は強いとしている。

 課題の一つは安価な輸入品の流入拡大で、とりわけ熱延鋼板(HRC)で顕著。1~4月のHRC輸入量は前年同期比32%増の393万トンに拡大し、国内生産量を上回った。輸入のほとんどが中国製で、前年同期比2倍の290万トンとなっている。

 中国製の輸入急増を受けて、国内鉄鋼大手のホアファットと台湾系のフォルモサ・ハティン・スチールはHRC生産を縮小。生産ラインの稼働率を73%と、21年の86%から引き下げた。2社の合計シェアは21年の45%から30年には30%に低下している。HRC価格は23年に1トン当たり541米ドルとなり、21年から11.7%低下した。

 ベトナム裾野産業協会のファン・ダウ・トゥアット会長は、ホアファットやフォルモサがHRC生産で多額を投じたが、生産コストを下回る価格で輸入品が出回れば脅威になると説明。HRCの過半、めっき鋼板の20~30%が輸入される中、業界からは商工省に対して貿易救済措置や長期的な鉄鋼業開発計画の見直し、不良品の流入防止などを求める声が上がっている。


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