中国・吉利汽車は、シンガポールで高級電気自動車（EV）ブランド「ジーカー（極コク）」の販売を開始した。東南アジアで市場を拡大する戦略の一環で、高級車の人気が高くEVの販売比率が3割に上るシンガポール市場で弾みを付けたい考え。ストレーツタイムズなどが伝えた。

　独アウディ車を販売するプレミアム・オートモービルズを代理店に指名した。中心部のアート・サイエンス・ミュージアムで小型スポーツ多目的車（SUV）「ジーカーX」を発表し、販売を開始した。後輪駆動と四輪駆動の2タイプがあり、価格はそれぞれ19万9999シンガポールドル（約2200万円）、21万4999シンガポールとなっている。

　ショールームは中心部のレンキー通りで準備中。もともとアウディの中古車を扱っていた店舗を400万シンガポールドルを投じて改装しており、8月末に完成する。

　シンガポールでは高級車の独BMWと同メルセデス・ベンツがシェア上位に入り、またEV比率が3割に達することから、有望市場とみて今後もさまざまなモデルを投入する。9月には大型ワゴン「ジーカー009」を発売し、その後は米テスラの「モデルY」に対抗するSUV「7X」を投入するとしている。

　同社はアジア太平洋で販売地域を拡大しており、東南アジアでは今年6月にフィリピン、7月にタイへ進出。第4四半期にはインドネシア、来年には豪州とマレーシア、日本、韓国での販売開始を計画している。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。