シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行（UOB）は、2024年のベトナムの国内総生産（GDP）成長率予測を6.0％に据え置いた。第1四半期の経済指標が予想通りだったためで、23年の5.0％から加速するとみている。ベトナム・インベストメント・レビューが12日付で伝えた。

　統計総局が発表した5月の経済指標は、◆鉱工業生産指数（IIP）が前年同月比で8.9％上昇◆輸出が15.8％増で3カ月連続の2桁増◆貿易黒字が年初から累計78億米ドル◆外国直接投資（FDI）認可額が年初から累計で前年同期比2％増の110億7000万米ドル――と好調。UOBは、東欧や中東で地政学的危機が続くものの、中国経済の安定成長や半導体サイクルの回復、ベトナムのチャイナプラスワン化の進展などで、見通しを楽観している。25年の成長率予想は6.4％で、さらに加速すると見込む。

　その他の指標では、24年のインフレ率を3.8％、25年を4.2％と予測。23年の3.3％から伸びが加速するとみている。経常黒字はGDP比で24年に1.0％、25年は1.2％と安定的に推移すると予想。財政赤字は24年がGDP比2.6％、25年が2.5％と、23年の3.0％から縮小すると見込む。

　政策金利については、ベトナム中央銀行が年内は据え置くと予想。国内経済の安定した回復、潜在的なインフレ圧力、通貨ドンの弱含みを受けて利下げはないとみている。為替については、9月に米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げが予想され、年後半はドン高傾向になると予想。為替レートは現在の1米ドル＝2万5400ドン前後から24年第4四半期には2万5000ドン、25年第2四半期には2万4600ドンへとドン高に振れるとみている。


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