インドネシア中央銀行は、2025年の国内総生産（GDP）成長率を4.8～5.6％と予想している。ペリー・ワルジヨ総裁が11月末の年次総会で明らかにしたもので、4.7～5.5％とする24年の予想レンジから0.1ポイント上方にシフト。国内消費と輸出が引き続き成長を支えるとみている。ジャカルタグローブが伝えた。

　25年の世界経済については、米国経済の改善が見込まれるが、中国と欧州は減速するとの見方。インドネシアとインドは安定成長を維持するとみている。26年には、貿易摩擦やそれに伴うサプライチェーン（供給網）の混乱を背景にインフレが再び加速すると予想している。

　政権交代がある米国の動向にはとりわけ注視すべきとの考え。トランプ政権下での投資環境改善、米ドル高、短期金利低下、長期金利上昇などを背景に、各国から資金が引き揚げられて米国に向かう一方、米国以外のインドネシアなどの経済にはマイナスに影響する可能性があるとみている。

　ワルジヨ総裁は、こうした中でインドネシアは、◆マクロ経済の安定◆内需刺激◆金融市場の活性化◆生産性向上◆デジタル化――の5分野に取り組む必要があると説明。政府と中銀はとりわけインフレ抑制に向けた財政・金融政策を行い、また中銀はルピアの安定性維持に努める一方で十分な通貨供給を確保することが重要としている。


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