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  ニュース     2024/03/03 19:59

シンガポール:米エクアティック、炭素除去施設を建設へ 無料記事

【亜州ビジネス編集部】二酸化炭素(CO2)排出削減に取り組む米エクアティックは、西部トゥアスにCO2除去プラントを設置すると発表した。シンガポール公益事業庁(PUB)と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)との共同事業で、2000万米ドルを投じる。海水を使って大気中のCO2を除去する施設としては世界最大規模となる。ストレーツタイムズが伝えた。

 施設の名称は「エクアティック1」で、PUBが運営する淡水化プラントに隣接して建設する。第1期は今年着工して第4四半期に稼働を開始。第2期は来年第2四半期に完成し、フル稼働する。

 淡水化プラントから汲み上げた海水を再生可能エネルギー由来の電力で電気分解し、これを媒体として大気からCO2を捕捉。同時にカーボンネガティブ水素を生産する。捕捉したCO2は海水中のミネラルと結合し海に放出。溶解には10万年以上を要するとしている。フル稼働時のCO2除去能力は日量10トンで、カーボンクレジットは出資額に応じて3者で分ける。水素の生産能力は日量0.3トンで、工業向けとする。

 エクアティックはこれまで、ロサンゼルスとシンガポールでCO2除去の小規模な試験プラントを運営。ともに昨年4月までに運転を開始し、経過は順調で、この経験を今回生かす。代表者は、今回の事業は競争力のある価格でCO2除去を可能とするための重要なステップになると説明。30年までに1トン当たりの除去コストを100米ドル以下にすることを目指すとしている。


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