シンガポール統計局が23日発表した2025年3月の消費者物価指数（CPI）上昇率は、前年同月比で0.9％だった。4年ぶり低水準だった前月から横ばい。食品や自動車の値上がりが加速する一方、ガソリンや電力、ガスが落ち込んだ。民間道路輸送（2.1％）と住居（1.4％）を除くコア指数の上昇率は0.5％と、前月（0.6％）を下回り、21年3月以来、4年ぶりの低水準だった。

　食品（1.3％）は5カ月ぶりに加速し、パンや牛肉、植物油、果物などの伸びが前月を上回った。民間道路輸送では自動車（3.5％）が23年12月以来の高い伸びを記録。一方でガソリン（マイナス2.0％）は6カ月ぶりの前年割れに転じた。また、電力（マイナス3.8％）の下落幅が拡大し、ガス（マイナス1.1％）は23年12月以来のマイナスとなった。

　シンガポール金融管理庁（MAS）と貿易産業省は、25年の上昇率予測をCPI、コア指数とも0.5～1.5％とし、前月時点の予測から下方修正した。今後も輸入インフレの緩和が見込まれるほか、国内では政府による補助金の拠出によってサービス分野の値上がりが抑制されるとみている。前月時点ではCPIを1.5～2.5％、コア指数を1.0～2.0％と予測していた。


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