シンガポール統計局が23日発表した2023年4月の消費者物価指数（CPI）上昇率は、前年同月比で5.7％となり、前月を0.2ポイント上回った。伸び加速は3カ月ぶり。観光関連サービスや自動車、バイクなどの上昇が全体を押し上げた。民間道路輸送（10.4％）と住居（4.9％）を除くコア指数の上昇率は前月から横ばいの5.0％だった。

　観光関連では航空運賃（3.1％）が3カ月ぶりのプラスに転換。また、パッケージツアー（10.5％）とホテル・その他休暇費用（13.2％）は伸びが加速し、共に4カ月ぶりの2桁上昇となった。車両購入権（COE）発行枠の縮小で値上がりが続く自動車（15.4％）とバイク（11.0％）もそろって前月を上回った。

　一方、原油価格が低下する中でガソリン（マイナス7.8％）は3カ月連続の前年割れ。また、食品（7.1％）が高水準ながら2カ月連続で鈍化した。食品はコメや野菜、肉類など幅広い品目で前月から減速している。

　シンガポール金融管理局（MAS）と貿易産業省は、23年の上昇率予測をCPIが5.5〜6.5％、コア指数が3.5〜4.5％とし、前月から据え置いた。燃料と食品の価格がピークを過ぎたものの、足元で労賃の上昇が続くと予測している。一方、自動車と住居については、供給が増えることで年内には価格が落ち着くとの見方を示した。


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