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  ニュース     2025/03/04 20:55

ベトナム:バナナの対中輸出、24年はフィリピン抜き初首位 無料記事

 国際貿易センター(ITC)によると、ベトナムは中国へのバナナ輸出量で2024年にフィリピンを抜き、初めて首位に立った。ベトナムは生産拡大や品質向上が奏効。一方、対中輸出で20年間首位だったフィリピンは、バナナを枯らす「パナマ病」で生産が縮小した上、中国との政治的緊張による現地消費者の買い控えもあってシェアを落とした。フィリピン・スターが4日付で伝えた。

 ベトナムの対中バナナ輸出は24年に62万5166トンとなり、前年から24%増加。一方、フィリピンは33%減の46万3306トンに縮小し、過去15年で最低となった。

 中国の24年のバナナ輸入は約180万トンで、ベトナムのシェアは37.1%、フィリピンは27.5%となった。ベトナムのシェアは10年前にわずか1%程度だったが、急速に拡大。対照的にフィリピンのシェアは17年のピーク時に70%に達していたが、半減した。

 ベトナムはバナナの栽培面積を大幅に広げて輸出を急速に拡大している。供給不足を避けるため、民間企業はカンボジアにも農園を広げている状況。品質管理も向上し、中国での人気が高まっている。

 一方、フィリピンでは主要産地でパナマ病がまん延し、生産に大きく影響。24年のバナナ輸出量は世界4位で、前年から順位を1つ落とした。中国への輸出では、南シナ海の海域をめぐる政治的緊張の高まりもマイナスに影響。南米や他のアジア諸国との競争が激化しており、かつての勢いを失っている。


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