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  ニュース     2025/01/28 20:56

シンガポール:24年の民間住宅賃料、4年ぶり下落 無料記事

 都市再開発庁(URA)が発表した2024年の民間住宅賃料指数は前年比で1.9%低下し、20年(0.6%低下)以来の下落となった。下落幅は17年(1.9%低下)以来の大きさで、ここ数年の急騰後、供給増加や需要の変化を背景に調整局面に入った。

 不動産仲介大手の米系CBREシンガポールによると、賃料低下の主因は新規供給の増加と需要の減退にある。24年の民間住宅の新規供給数(超高級物件除く)は8460戸で、前年の1万9968戸から約6割減少した。一方、住宅ローン金利の低下で年後半は賃貸から購入にシフトする動きが一部で強まり、その分民間住宅の賃貸需要が減少した。また物価高や生活コスト上昇を背景に、より安価な物件の需要が高まり、賃料低下の一因となった。

 CBREは、25年の住宅賃料が1~3%の緩やかな伸びにとどまると予想。供給が一層絞られる一方、住宅ローンが低い中で購入需要は高まるとみている。

 一方、URAによると、24年の住宅価格指数は前年比で3.9%上昇し、23年の6.8%から伸びが鈍化した。前年の伸びを下回ったものの、ローン金利低下などで住宅需要は堅調で、中心部周辺(RCR)と中心部以外(OCR)ではそれぞれ5.8%、3.7%と前年の伸びを上回った。ただ超高級物件が並ぶ中心部(CCR)で4.5%と前年の13.7%から大きく伸びが鈍化した。

 CBREは、25年の住宅価格が3~6%上昇すると予想。24年半ば以降の住宅ローン低下が需要を引き続き支えるとみている。

■オフィス賃料は横ばい

 24年のオフィス賃料指数は前年から横ばい。23年の13.1%上昇から一転して安定した。23年までに完成した複数の大型案件で供給がダブついている一方、内装コストの高騰や在宅勤務の普及拡大などで需要が落ち着いており、賃料上昇が収まった。ただし中心部の高級オフィスに限ると空室率が9.1%に改善するなど需要は高まっている。


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