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  ニュース     2024/08/28 20:55

シンガポール:上半期の詐欺被害2.7万件、過去最高を更新 無料記事

 シンガポール警察庁によると、2024年上半期の同国の詐欺被害件数は前年同期比16.3%増の約2万7000件、被害額は24.6%増の3億8560万シンガポールドル(約428億円)となり、ともに上半期として過去最高を更新した。通年では被害額が7億7000万シンガポールドルに上る可能性もあるとして、警察は消費者に注意を呼び掛けている。ストレーツタイムズが伝えた。

 被害件数の86.0%では、加害者が被害者の口座を掌握していなかったが、巧妙な手口で被害者が誘導されて自ら加害者側の口座に資金を移動させた。その際、メッセージングアプリ「ワッツアップ」が使われたケースが8336件、交流サイト(SNS)「フェイスブック」が7737件と多かった。またスマホアプリ「テレグラム」を使うケースは前年同期から137.5%増加した。

 詐欺の内訳を見ると、投資詐欺は3330件と件数は全体の12.5%に過ぎなかったが、金額は1億3340万シンガポールドルに上り、全体の約3分の1を占めた。1件当たりの被害額は約4万シンガポールドルに達した。一方、公務員を装った詐欺は580件と少なかったが、被害額は6750万シンガポールドルで、1件当たりでは約11万6500シンガポールドルに上った。

 親族や友人を装ういわゆる「オレオレ詐欺」の被害は38.2%減の2368件で、被害総額も37.0%減の8100万シンガポールドルに縮小した。またマルウエアを使用した詐欺の被害は86.2%減の95件、被害額は96.8%減の29万5000シンガポールドルと激減した。

 最も件数が多いのは電子商取引(EC)に絡む詐欺だが、具体的な件数や被害額は示されていない。被害者の74.2%が50歳未満で、特に若年層や成人が多くの被害を受けている。

 警察は、詐欺被害によって貯蓄を全て失い、これを取り戻すことが困難なケースがあると警告。最新の調査では、消費者の5人に3人が「自分は詐欺被害に遭わない」と自信を見せているが、警察は、詐欺の手口が日々進化しており、油断は禁物だと警鐘を鳴らしている。


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