カシコン銀行傘下の総合研究所カシコン・リサーチ・センター（KRC）は、香港で「逃亡犯条例」改正案への抗議をきっかけとしたデモ活動が続いていることにより、2019年下半期の香港向け輸出額が5億〜9億米ドル減少するとの予測を示した。

　デモが早期に収束した場合で5億米ドル、さらなる激化により香港経済が停滞した場合で9億米ドルと試算した。早期収束でも経済の弱体化により、主に消費財の輸出が減少する見通し。激化した場合は港湾での貨物船の混雑が進むことなどで、香港を中継して中国に再輸出するための半製品の輸出が大きく減少すると予測している。一方、香港国際空港の機能停止については、空輸による輸出額が全体の1％にとどまることから、影響はほとんど受けないと指摘した。

　上半期の香港向け輸出額は前年同期比9.4％減の57億4200万米ドル。全体の4.7％を占め、国・地域別で5位だった。下半期に5億〜9億米ドル減少した場合、通年の輸出額は前年比9〜12％減に落ち込む見通し。


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