商務省が24日発表した2020年6月の輸出額は、前年同月比23.2％減の164億4430万米ドルだった。2カ月連続の減少で、下げ幅はリーマンショック後の09年7月以来、10年11カ月ぶりの大きさ。新型コロナウイルスの流行による各国の景気減速などを受け、自動車など工業製品の不振が続いている。全体の輸入額は18.1％減の148億3390万米ドル。貿易収支は16億1040万米ドルの黒字だった。

　武器と価格変動の激しい金地金、石油の3品目を除く実質の輸出額は17.2％減。前月の27.2％減からは改善した。

　輸出全体の8割近くを占める主要工業製品は25.1％減、2割弱の農産物・加工品は9.9％減。工業製品では主力の自動車・部品が43.2％減と、引き続き大きく落ち込んだ。一方、世界的に在宅勤務の動きが広がったことで、パソコン（PC）や家具の輸出は拡大している。農産物・加工品では、コメやゴムの輸出量が4割を超える減少。輸出額はそれぞれ25.6％減、55.6％減と低迷した。

　主要国への輸出では、中国や米国を除き概ね減少。対日輸出は自動車や電話機などの不振で21.6％減だった。一方、中国向けは12.0％増と、3カ月連続のプラス成長。タイヤや生鮮果物、トランジスタなどが好調だった。また、PCや半導体、家具の好調で米国向けは14.5％増えた。

　上半期の輸出額は前年同期比7.1％減の1143億4300万米ドル、輸入額は12.6％減の1036億4200万米ドル、貿易黒字は107億100万米ドル。バンコクポストによると、同省は20年通期の輸出額が前年の2462億6880万米ドルから約8〜9％減少すると予測している。


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