タイ工業連盟（FTI）とタイ商工会議所連盟（BOT）、タイ銀行協会（TBA）の3団体で構成する民間合同委員会（JSCCIB）は6日、2025年の国内総生産（GDP）成長率の予測を前年比1.8～2.2％と発表し、前月の予測（1.5～2.0％）から上方修正した。米政府がタイの相互関税率を19％に引き下げると決定したことを受け、輸出額の予測を引き上げた。近隣国と大差がない相互関税率になったことから、不利益を被るような最悪のシナリオを免れたとみている。

　輸出額の伸び率はプラス2.0～3.0％と予測し、前月の予測（マイナス0.5～プラス0.3％）から上方修正した。上半期の実績は15.0％に達したが、米国の関税引き上げを前に需要の先食いがあったためで、下半期は減速するとみている。インフレ率の予測は0.5～1.0％に据え置いた。

　同委員会は一方、下半期のGDP成長率を押し下げる要因として、外国人観光客の減少やカンボジアとの国境紛争、輸入品の増加による価格競争の激化などがあると指摘。製造業の長期的な競争力強化に向けては、最新技術の導入による生産性の向上やコストの削減、現地調達率の引き上げ、作業員の技能向上などに官民を挙げて迅速に取り組むことが不可欠と提言した。

　24年の実質GDP成長率は2.5％で、前年（2.0％）から伸びが加速した。


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