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  ニュース     2025/10/23 22:59 NEW!!

インドネシア:中銀が政策金利据え置き、緩和の波及効果見極め 無料記事

 インドネシア中央銀行は22日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利、BIレート)を4.75%で据え置く決定を下した。昨年9月以降に6度にわたって金利を1.50ポイント下げ、今年9月の前回会合まで3会合連続で利下げしていたが、今回は一服。緩和の波及状況を見極める。

 ロイター通信によると、アナリストら28人のうち21人が0.25ポイントの追加利下げを予想しており、据え置きは予想外となった。

 ペリー・ワルジヨ総裁は会見で、「6回の利下げ後、現時点の焦点は金融政策の効果波及にある」と強調。商業銀行の貸出金利引き下げを促す目的で、12月1日から流動性を高めるためのインセンティブを講じると表明した。具体的には、特定分野への融資を行うことで法定準備率を最大5ポイント引き下げられる現行措置に加え、貸出金利の引き下げを約束する銀行に0.5ポイントを上乗せするとしている。

 中銀は国内総生産(GDP)成長見通しについて、2025年は4.6~5.4%レンジの中央値をやや上回るとの評価を維持。26年は加速を見込む。一方、銀行貸出金利の低下は遅く、年初に平均9.20%だった銀行金利は9月に9.05%と0.15ポイントしか下がっておらず、また未実行の与信枠は2374兆8000億ルピア(約21兆8400億円)に積み上がっている。ワルジヨ総裁は、低インフレ見通しを踏まえ追加緩和の余地にも言及したが、当面は貸出金利の引き下げを優先する方針としている。

 為替・資本フロー面では、9月~10月20日に外国人投資家の売り越しにより52億6000万米ドルの資金流出が発生し、中銀はルピア防衛のため市場介入を実施。9月末の外貨準備は1487億米ドルと、中銀の為替介入や政府の外債償還の影響で前月から減少した。


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