フィリピン統計庁（PSA）が11月28日発表した2025年10月の貿易統計（速報値）によると、輸出額は前年同月比16.2％増の72億7470万米ドルだった。前年同月を上回るのは10カ月連続で、金額は22年10月以来の高水準を記録。主力の電子製品（44.4％増）が前年に落ち込んでいた反動で大きく加速し、全体をけん引した。全体の輸入額は5.1％増の119億4430万米ドル。貿易赤字は38億2780万米ドルだった。

　輸出は上位10品目のうち6品目で前年同月を上回った。電子は6カ月連続のプラス。輸出全体の4割を占める半導体（58.6％増）や、医療機器（40.9％増）、通信機器（39.7％増）が大きく拡大した。電子以外では価格が上昇した金（76.3％増）や、機械・輸送機器（102.7％増）も伸びが大きかった。

　輸出先別では上位9カ国が全てプラス。最大の米国（14.0％増）は2カ月連続のプラスで、前月から伸びが加速した。日本（10.0％増）も拡大し、前月の4位から2位に浮上。3位の香港（62.4％増）は2桁増が続いている。中国（1.6％増）は伸び悩み、4位に後退した。

　主要品目の輸入額は、最大の電子製品（10.6％増）が引き続き拡大する一方、石油製品や輸送機器が前年割れとなった。国別では全体の3割を占め最大の中国（11.0％増）がプラスだったものの、2位の日本（1.7％減）や3位のインドネシア（21.5％減）など上位10カ国のうち8カ国が前年割れだった。

　1～10月は輸出額が前年同期比13.8％増の704億2990万米ドル、輸入額が4.3％増の1117億5060万米ドル、貿易収支が413億2080万米ドルの赤字だった。輸出のうち電子製品は12.6％増だった。


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