詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル 亜州リサーチ公式X 亜州リサーチ公式Instagram

  ニュース     2025/10/28 20:58 NEW!!

マレーシア:韓国とFTA締結、サプライチェーン強化でも協力 無料記事

 マレーシアと韓国は27日、二国間の自由貿易協定(FTA)を締結した。既に東南アジア諸国連合(ASEAN)を通じてFTAを締結しており、二国間協定で通商のさらなる円滑化を図ると共に、デジタルなど新分野での連携を拡大する。両国は今回また、二国間のサプライチェーン(供給網)強化についても協力覚書を交わした。

 クアラルンプールで開かれた首脳会談でアンワル・イブラヒム首相とイ・ジェミョン大統領がFTAに署名した。発効後はマレーシアの食品・農産品、ハーブ製品、パーム油、カカオ、化学・石化製品、熱帯木材などが長期的に無関税アクセスを得る見通し。一方、韓国からは電気自動車(EV)や鉄鋼、化学・石化製品、農水産物などの輸入関税が減免される。

 韓国の毎日経済新聞によると、EVでは完全組み立て部品(CKD)の税率が現在の10%からゼロとなり、スポーツ多目的車(SUV)の完成車は30%から15%に引き下げられる。

 マレーシア政府は声明で、今回のFTA締結は通商だけでなく、経済連携や産業育成に重きを置いていると説明。グリーン経済やデジタル、バイオなどの産業育成で協力し、FTAの経済効果をさらに引き上げることで、中小企業などにも多くの恩恵をもたらすとした。

 両国のFTA交渉は2019年に事実上停滞した後、24年に再開で合意。韓国が既に締結しているASEANとのFTAを補完する形で、バイオやデジタル、サービスなど新興分野への協力拡大を目指した。マレーシアでは当初、関税撤廃率の不均衡などを懸念する慎重論もあったが、最終的に産業協力や人材育成など広範な協力枠組みで折り合いが付いたとみられる。

 両国は今回、サプライチェーンの強化を目的とする戦略的協力覚書も締結。防衛やスマートインフラ、エネルギー分野でも連携を強化する方針で一致した。

 両国の24年の貿易額は240億1000万米ドルで、韓国はマレーシアの第8位の貿易相手国。韓国企業の累計投資額は619億リンギ(約2兆2300億円)に上り、8万3000人超の雇用を創出している。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース

関連マクロ統計