商務省は、2026年のタイの輸出額が前年比1.0％減の3306億4200万米ドルに落ち込むとの予測を明らかにした。25年に米国の関税引き上げに備えた前倒しの出荷で輸出が大きく伸びた反動が出て、マイナスに転換する見通し。主要輸出先国で在庫が高水準にあり、今後の受注減につながる可能性があると説明した。9日付ネーションなどが伝えた。

　同省は他に2つのシナリオを公表した。最も悲観的なシナリオでは、3.1％減の3236億2800万米ドルと予測。米国の高関税措置が大幅に強化された場合、世界のサプライチェーン（供給網）が混乱し、特に米国と中国の経済減速に伴う需要減退が足かせになるとみている。

　一方、楽観シナリオとして、主要貿易相手国の景気が予想以上のペースで回復する中、米国の高関税措置が大幅に強化されない場合は、1.1％増の3376億5500万米ドルに達すると予測。特に電子部品や人工知能（AI）、電気自動車（EV）などの分野で、タイへの生産移転が目に見える形で実を結び始めるとの見方を示した。

　25年の輸出額については、10.7～11.4％増の3329億8210万～3349億8210万米ドルと予測している。1～10月実績は前年同期比13.0％増の2829億8210万米ドルだった。


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