【亜州ビジネス編集部】政府は21日、第5世代（5G）通信網を管理する国営デジタル・ナショナル（DNB）に携帯電話キャリア5社が資本参加することが決まったと明らかにした。国営1社による管理は透明性に疑問が生じるとし、2021年から資本参加に向けた協議が行われてきたが、政府による5G開発計画の政策変更などを経て結論がずれ込み、ようやく決着した格好。ザ・スター・オンラインなどが21日付で伝えた。

　セルコムデジ、マキシス、テレコム・マレーシア（TM）、Uモバイル、YTLコミュニケーションズの5社がDNBに資本参加することが決まった。デジタル・通信省は、各社の出資比率や出資額など詳細を明らかにしていない。

　政府は21年、5G通信網の整備を手掛けたDNBが独占的に回線を卸売りする1社独占方式で運用すると発表。ただ通信キャリア各社は、透明性や料金の妥当性に疑問が残るとして接続に難色を示していた。こうした中で昨年10月、携帯キャリアがDNB株を計70％取得すること5G接続することに合意。ただ翌月には選挙で政権が交代し、5G政策を見直すとして最終的な結論が先送りとなっていた。

　なおDNBの5G網へは昨年、マキシスを除く通信キャリアが接続することで契約。先週にはマキシスも接続することで契約した。

　一方、DNBが運用する5G網の人口カバー率が都市部で80％を超えたことから、アンワル政権は今年5月、市場競争を促す目的で来年にも第2の5G管理会社の設立を認めると発表している。


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