交通インフラ開発や自動車販売を手掛ける地場タスコは24日、中国・吉利汽車と合弁で北部タイビン省に自動車の組立工場を建設すると発表した。総投資額は1億6800万米ドルで、第1期の年産能力は7万5000台。来年上半期に着工し、2026年初頭の納車開始を予定する。まず吉利ブランドなどの車両を生産する。

　タスコと吉利、タイビン省経済区・工業団地管理委員会の3者が23日に戦略的協力協定を締結した。タスコと吉利は組立生産の合弁会社を設立する。出資比率はタスコが64％で、吉利が36％。ティエンハイ工業団地の敷地30万平方メートルに工場を設け、国内向けに出荷するほか自由貿易協定（FTA）を結ぶ各国へ輸出する。

　当初は吉利ブランドのほか、吉利が傘下のボルボ・カーと立ち上げた高級車ブランド「リンク・アンド・コー」の車両も組立生産する。将来は他ブランドの車両も手掛ける可能性があるとしている。

　タスコはベトナム国内での吉利ブランドの販売権も取得した。吉利系ではこれまで、自動車販売のタスコ・オートを通じて、リンク・アンド・コーとボルボ、高級電気自動車（EV）ブランド「ジーカー（極コク）」の販売代理店を務めており、取り扱いブランドを増やす。

　タスコ・オートは国内に約90カ所のショールームを構え、吉利系やトヨタ、米フォードを含む計15ブランドの販売代理店を務める。先月には三井物産を戦略的株主に迎えたと発表している。


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