金融大手のHSBCは、2024年と25年のベトナムの国内総生産（GDP）成長率予測をともに6.5％に据え置いた。9月上旬に北部地域を直撃した台風11号（国際名：ヤギ）が甚大な被害をもたらしたが、経済回復の上振れがその影響を相殺するとみている。ザ・インベスターが9月30日付で伝えた。

　HSBCは、第2四半期のGDP成長率が6.93％となり第1四半期の5.87％から加速したことについて、電子機器以外でも外需が高まり、予想外の経済成長を見せたと説明。製造業は低調だった23年から回復し、農業や繊維・履物産業でも立ち直っているとした。

　HSBCはまた、政府が環境保護税や一部商品の付加価値税（VAT）を年末まで減免するなど、景気回復に向けて講じた対策を評価。他にも8月から改正土地法が施行されたことで、不動産市場の見通しが強化され、この分野の外国直接投資（FDI）が拡大しているとした。

　インフレ率予測は24年が3.6％、25年が3.0％とした。24年後半から特に落ち着くとみている。

　なお農業・農村開発省は9月28日、台風11号の被害額が81兆5000億ドン（約4720億円）に上るとの試算を発表。計画投資省が当初試算した40兆ドンの2倍に上っている。


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