大手商業銀行VPバンク傘下で国内初のインターネット専業銀行であるケーキデジタル銀行は9日、営業開始から3年半で黒字化を達成したと発表した。テクノロジーに精通した若年層らを中心に顧客を500万人に増やし、顧客1人当たりの収益を過去1年で3倍に伸ばして足早に黒字化した。

　同行は2021年設立で、店舗を持たずに預金や決済、融資などの業務を行う。開業2年で顧客数が300万人に達した後、23年末には410万人、24年には500万人まで増えた。決済取引額は23年の22億米ドルから24年には47億米ドルに倍増。融資部門では信用審査件数が月40万件に上っている。こうした中で1人当たり収益は24年に前年比3倍の12米ドルに拡大。24年6月に損益分岐点に到達し、その後順調に利益を積み重ねている。

　同行は、テクノロジーに精通したZ世代や若いミレニアル世代の多様な銀行ニーズに応えることで目覚ましい収益性を達成したと説明。銀行サービスを「ケーキのように簡単 (Easy as Cake)」にし、また配車サービスや通信、娯楽などさまざまな業界の有力企業と提携して金融ニーズを引き受けることで利用者を増やしたとしている。

　さまざまな業務でAI（人工知能）を活用し、運用コスト削減につながっているほか、消費者ニーズをAIで分析することで多様な顧客層に合わせた幅広いサービスを提供している。

　なお親会社のVPバンクには三井住友銀行が23年に総額35兆9000億ドン（約2151億円）を出資。第三者割当増資を引き受けて株式15％を取得している。


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