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  ニュース     2024/03/17 20:59

マレーシア:中国企業のペナン進出急増、米輸出規制の回避狙う 無料記事

【亜州ビジネス編集部】電子産業が集積するペナン州で、中国の半導体関連メーカーの進出が加速している。西側の大手半導体設備企業などが米国の対中輸出規制違反を懸念し、中国の部品サプライヤーに生産移転を求めたためで、同州の投資当局によると、中国企業の進出は輸出規制以前の16社から55社へと3倍以上に増えた。中国・集微網が11日報じた。

 中国企業の進出が増える中、同州への2023年の外国直接投資(FDI)は601億リンギ(約1兆9000億円)に上った。13年から20年までの8年間の総和を1年で上回ったという。マレーシアは世界6位の半導体輸出国でサプライチェーン(供給網)が完備しており、中国の関連企業にとって、東南アジアへの生産移転で第一選択肢となっている。

 進出企業の急増によって、ペナン州では土地の高騰や交通渋滞が深刻化している。大手不動産会社によると、工業用地の価格は22年の1平方フィート(0.09平方メートル)当たり50リンギから85リンギへ70%上昇した。23年上半期の住宅地価格は、シンガポールに次いで東南アジアで2番目の上昇率を記録したという。  

 また、半導体関連の人材不足は著しく、人材の奪い合いが起きており、賃金も高騰している。ただ、一定の弊害はあっても半導体産業の振興への貢献は大きく、同州は米中対立によって「漁夫の利」を得る形となっている。


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