電気自動車（EV）充電所運営や商業印刷を手掛ける香港の基石科技（コーナーストーン）は、タイでのEV充電所展開で、中国自動車大手の広州汽車集団のグループ企業と提携する。両社の共同出資により、交通の要所や給油所などへの設置を進める計画。既に9カ所について共同調査を終え、建設を開始した。
　基石は現地法人のスパークEVを通じてタイ事業を手掛けている。広州汽車は一方、充電所部門の広汽能源科技を通じて5月に現地法人のGACエナジーテクノロジー（タイランド）を設立。今月17日にスパークとGACエナジーが枠組み協力協定を交わした。太陽光発電や二次電池電力貯蔵システム（BESS）などを活用した事業展開や、EV関連サービスの提供なども視野に入れている。
　GACエナジーは既に7カ所の急速充電所を設けており、年内にさらに25カ所を追加する計画。2028年に100都市の200カ所で充電器1000台の設置を目指す。一方、スパークは今年3月、政府系の製油・給油所大手バンチャーク・コーポレーションとの間で長期的な提携に関する合意書を締結した。全2200カ所のバンチャーク給油所のうちまず1000カ所に急速充電器を整備する。
　広州汽車のグループでは、EV部門の広汽埃安新能源汽車（AION）が昨年にスポーツ多目的車（SUV）を発売してタイ市場に参入。今月17日には東部ラヨン県で工場を開所し、現地生産に乗り出した。現地報道によると、当初は右ハンドル車を年2万台規模で生産する。


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