【亜州ビジネス編集部】ロームは13日、クランタン州コタバルで半導体工場の新棟が完成したと発表した。来年10月にも稼働を開始し、新棟ではアナログ集積回路（IC）の一種である絶縁ゲートドライバーを生産する予定。パワー半導体を最適に駆動させるためのICで、電気自動車（EV）や産業機器向けに拡大する需要を取り込む。

　新棟は地上3階建てで延べ床面積2万9580平方メートル。現地子会社のローム・ワコー・エレクトロニクス・マレーシア（RWEM）が操業する。昨年3月に起工式を行った際、マレーシア投資開発庁（MIDA）は、投資額が9億1000万リンギ（約287億円）、新規雇用が340人に上る見通しを示していた。

　同子会社は1989年設立。これまで発光ダイオード（LED）などの小信号デバイスを中心に生産してきたが、生産品目を増やす。ロームはアナログIC生産工場の多拠点化を推進し、BCM（事業継続マネジメント）を強化する狙い。なお同子会社は来年1月に社名をローム・エレクトロニクス・マレーシアに変更する。


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