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  ニュース     2024/08/11 20:58

マレーシア:独インフィニオン、ケダ州クリムで新工場開所 無料記事

 半導体メーカーの独インフィニオン・テクノロジーズは8日、ケダ州クリムの第3工場の第1期を開所した。20億ユーロ(約3200億円)を投じたもので、口径200ミリメートル(8インチ)のSiC(炭化ケイ素)パワー半導体を製造する。第2期には最大50億ユーロを投じて規模を拡大し、完成後は8インチのSiCパワー半導体の製造拠点として世界最大になるとしている。
 第3工場は、第1、第2工場があるクリム・ハイテク工業団地(KHTP)内にあり、2022年7月に着工した。着工に先立ち、新規・既存顧客から50億ユーロ相当の受注が内定し、10億ユーロの前払いを受けていた。なお受注元には米フォードや中国の奇瑞汽車(チェリー)、同国で自動車最大手の上海汽車集団(SAICモーター)など自動車メーカー6社が含まれる。
 第1期では技術者を900人採用。フル稼働後は年20億ユーロの増収を見込む。第2期には新たに600人を雇用し、30年までに70億ユーロの増収を見込む。
 インフィニオンはこれまでクリムで8インチのSiCパワー半導体を製造しており、第3工場で生産規模を拡大することでスケールメリットを出す。一方、オーストリアのフィラハとドイツのドレスデンの工場は12インチに集中し、クリム拠点とのすみ分けを図る。
 同社はSiC半導体を3000社以上の顧客に提供し、産業用電源や太陽光発電、輸送、自動車、電気自動車(EV)充電などの分野で採用されている。SiC半導体の売上高は25年に10億ユーロを上回る見通し。世界シェアは30年までに30%への引き上げを目指す。


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