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  ニュース     2024/07/04 20:59

タイ:中国BYDが工場開所、右ハンドルEVの輸出拠点に 無料記事

 電気自動車(EV)中国最大手の比亜迪(BYD)は4日、東部ラヨン県に建設したEVなどの工場を開所した。同社初の海外乗用車工場で、年産能力は15万台。タイ国内向けに出荷するほか、東南アジアなどへの右ハンドル車の輸出拠点としても活用する。
 工場はWHAラヨン36工業団地の94万8000平方メートルの敷地に立地する。昨年3月の着工から16カ月での開所となった。投資額は179億バーツ(約789億円)。プレスや溶接、塗装、組み立ての工程を備え、フル稼働時には1万人を雇用する。電池などの主要部品も生産するとしている。
 当初の生産モデルは、中国からの輸入で販売中のEVの◆小型車「ドルフィン(海豚)」◆スポーツ多目的車(SUV)「ATTO3(元プラス)」◆セダン「シール(海豹)」――と、年初に予約受け付けを開始したプラグインハイブリッド車(PHV)タイプのSUV「シーライオン6(旧車名シールU DM-i)」の計4モデル。工場ではBYDにとって累計800万台目の生産車となるドルフィンをラインオフし、同日にタイ王室系財団に引き渡した。
 BYDは2022年11月にATTO3を発売してタイ市場に参入。23年はEVを3万432台販売し、国内EV市場でシェア約4割の首位に立った。エンジン車も含む新車市場全体ではシェア3.9%を占め、6位に入った。ポンプラパー財閥系のレバー・オートモーティブが販売代理店を務める。
■AION工場は17日開所
 自動車情報サイトのオートライフ・タイランドによると、中国EVメーカーの広汽埃安新能源汽車(AION)は、ラヨン県で今月17日に工場を開所する。同社初の海外工場で、第1期の年産能力は5万台。まずSUV「AION Yプラス」を生産する。
 AIONは中国自動車大手の広州汽車集団の傘下。現地の生産会社AIONオートモービル・マニュファクチャリング(タイランド)がアマタシティー・ラヨン工業団地で今年2月から工場の建設を進めてきた。投資額は60億バーツ超とされる。
 タイでは政府が22年に補助金などのEV振興策を導入したことで、中国EVブランドの進出が加速。以前からの参入組も含め、今年1月に長城汽車の「欧拉(オーラ)」、3月に合衆新能源汽車の「ナタ汽車(NETA)」と上海汽車集団の「MG」がEVの本格的な現地生産を開始した。さらに長安汽車と奇瑞汽車(チェリー)もラヨン県で工場建設計画を進めており、共に来年の稼働開始を予定している。


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