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  ニュース     2020/11/15 21:59

マレーシア:3QのGDPは2.7%減、下げ幅が大きく縮小 無料記事

【亜州ビジネス編集部】マレーシア中央銀行は13日、2020年第3四半期の国内総生産(GDP)成長率がマイナス2.7%だったと発表した。アジア通貨危機以降で最低だった前四半期のマイナス17.1%から下げ幅が縮小。新型コロナウイルス対策である活動制限令(MCO)が緩和されたことで経済活動が活発化した結果が表れている。

 成長率を産業別にみると、プラスは製造業のみで、前四半期のマイナス18.3%から3.3%のプラスに転じた。とりわけ輸出が好調な電気・電子産業の回復が顕著だった。建設はマイナス12.4%で最も落ち込んだ。ただ前四半期のマイナス44.5%からは下げ幅が縮小。鉱業はマイナス6.8%、サービスはマイナス4.0%で、ともに前四半期の2桁減から改善した。前四半期に唯一プラスだった農業はマイナス0.7%となった。

 成長率を支出別にみると、個人消費はマイナス2.1%、民間投資はマイナス9.3%で、いずれも前四半期から下げ幅が減少。公共投資と輸出入も改善し、政府支出は伸びが加速した。

 成長率は季節調整済み前期比でプラス18.2%となり、前四半期のマイナス16.5%から一気に2桁増となった。

 消費者物価は前年同期比でマイナス1.4%。原油価格の上昇で、前四半期のマイナス2.6%から下げ幅が縮小した。一方、通貨リンギは第3四半期に米ドルに対して2.9%値を上げた。中銀は、世界的に移動制限が緩和され、投資家の景況感が上向いたことで資金流入が増えた結果だと説明している。

 中銀は、依然として新型コロナの影響は残るものの、活動制限が局所的になるなど限定されており、20年第4四半期から21年にかけて景気が上向くと予想。政府が21年度予算で賃金補助や公共投資拡大を表明し、中銀が金融緩和策を継続する中で、21年の成長率はプラス転換するとの見方を示した。


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