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  ニュース     2025/03/09 21:59 NEW!!

マレーシア:中銀が政策金利据え置き、11会合連続 無料記事

 マレーシア中央銀行は6日、定例の金融政策決定会合の結果、翌日物政策金利(OPR)を3.00%に維持する決定を下したと発表した。据え置きは2023年7月から11会合連続。現行の金利水準で経済成長と労働市場の安定、インフレ抑制を支えられるとみて据え置きを決めた。

 中銀は国内経済について、24年は内外需の拡大によって国内総生産(GDP)成長率が5.1%と2年ぶりに加速し、25年も最低賃金や公務員給与の引き上げ、複数年にわたる大型事業の進展などを背景に、消費と投資が引き続き成長を支えると予想。一方で、主要国の貿易政策や地政学的リスクなど、外部環境の不確実性を経済見通しの下振れリスクとして挙げている。

 25年のインフレについては、世界的な物価上昇圧力の緩和と国内需給の安定を背景に、管理可能な範囲にとどまると予想。賃上げが需要拡大を後押しするが、インフレへの影響は限定的とみている。

 通貨リンギについては、外部要因に大きく左右されると指摘。先進国との金利差縮小がリンギにとってプラスに働いているものの、主要国の政策の不確実性によって金融市場のボラティリティーが高まる可能性もあるとしている。

 世界経済については、労働市場の好調、インフレの鈍化、金融政策の引き締め緩和によって成長が支えられる見通しとした。特に技術分野の成長が世界貿易を後押しするとみている。ただし、主要国の政策や地政学リスクが依然として金融市場の変動要因となり得るとした。

 こうした中で中銀は、今後も持続可能な経済成長と物価の安定を両立させるため、国内外の情勢に注視しながら柔軟に対応していく方針を示している。


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