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  ニュース     2025/03/23 20:58

インドネシア:中銀が政策金利据え置き、2会合連続 無料記事

 インドネシア中央銀行は19日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利、BIレート)を5.75%に維持する決定を下したと発表した。据え置きは2会合連続。世界的に経済の不確実性が高まる中、通貨ルピアの安定を優先し、利下げを見送った。

 ロイター通信によると、今回の金利据え置きは市場予想通り。アナリスト31人のうち19人が金利維持を予想し、残りは利下げを見込んでいた。

 ペリー・ワルジヨ中銀総裁は会見で、「国内のインフレ率は低く、利下げの余地もあり、景気浮揚に向けて刺激策が必要だが、国外の状況を慎重に見極める必要がある」と説明。米国の貿易政策や財政状況、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が、インドネシアの金融政策決定に影響を与えているとした。

 ルピアの為替相場については、「インドネシアの経済基盤を反映すれば強いはずだが、世界的な市場の動向によるテクニカル要因で圧力がかかっている」との見解を示した。ルピアは19日、5年ぶりの安値圏となる1米ドル=1万6520ルピア前後で推移。同総裁は、中銀は引き続きルピアの安定化に全力を尽くし、経済成長と金融市場の安定の両立を図ると述べている。

 中銀は今回、2025~26年のインフレ予想レンジを1.5~3.5%、25年の国内総生産(GDP)成長率予想を4.7~5.5%にそれぞれ据え置いた。一方、2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比マイナス0.09%と、00年3月以来のデフレを記録。これは政府の電気料金割引の影響によるものとみられる。

 アナリストの間では、今後の利下げの可能性について見解が分かれている。英バークレイズのエコノミスト、ブライアン・タン氏は、「中銀は25年第2四半期に0.25ポイントの利下げを実施し、26年第2四半期にも追加利下げを行う可能性が高い」と予測。一方、金融市場の大幅な変動が続けば、利下げの時期が遅れる可能性もあるとの声も上がっている。

 中銀は、新型コロナウイルス禍からの経済回復を支援するため、20~21年に6度の利下げを行い、政策金利を過去最低の3.50%とした。その後、インフレ圧力を抑制するため、22年8月に3年9カ月ぶりとなる利上げを開始し、6会合連続で5.75%まで引き上げた。23年10月と24年4月に追加利上げして6.25%としたが、24年9月には3年半ぶりに利下げを実施し、25年1月にも追加利下げした。


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