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  ニュース     2021/02/15 21:59

マレーシア:20年のGDP5.6%減、22年ぶり大幅マイナス 無料記事

【亜州ビジネス編集部】マレーシア中央銀行は11日、2020年の国内総生産(GDP)成長率がマイナス5.6%だったと発表した。19年のプラス4.3%から11年ぶりのマイナスに転落。大幅な後退は22年ぶりで、下方修正された財務省予想のマイナス4.5%よりも下げがきつかった。新型コロナウイルス流行とその対策である活動制限令(MCO)で経済活動が停滞した影響が出た。
 産業別にみると、全ての産業でマイナス成長となった。最も下げ幅が大きかったのは建設でマイナス19.4%。鉱業はマイナス10.0%だった。19年に産業別で最も高い6.1%成長を記録したサービス業はマイナス5.5%。製造業はマイナス2.6%、農業はマイナス2.2%だった。
 成長率を支出別にみると、個人消費はマイナス4.3%、民間投資はマイナス11.9%で、いずれも前年のプラスからマイナスに転じた。公共投資は2割縮小。輸出と輸入はともに8.0%台のマイナスだった。一方、政府支出は前年を上回る伸びだった。
 ノル・シャムシア・ユヌス中銀総裁は、新型コロナワクチンの普及や世界経済の回復に伴い、21年は経済が回復に転じると予想。ただしダウンサイドリスクは拭えないとした。中銀は21年の成長率予想を3月に発表する予定。一方、財務省は先にプラス6.5〜7.5%との予想を発表している。
■4Qは3.4%減、コロナ第3波で悪化
 第4四半期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比でマイナス3.4%だった。前四半期のマイナス2.6%から下げ幅は拡大。新型コロナ感染症の第3波に対応するため、再び活動制限を敷いたことで経済活動が停滞した。
 成長率を産業別にみると、製造業が3.0%で唯一のプラス。第2四半期にマイナス18.3%と大幅に縮小したものの、その後は2四半期連続で3.0%台のプラスを維持した。電気・電子製品の輸出が伸びている。一方、建設と鉱業はともに2桁の減少。サービス業は3四半期連続、農業は2四半期連続のマイナスとなった。
 成長率を支出別にみると、個人消費はマイナス3.4%で、前四半期のマイナス2.1%から下げ幅が拡大。民間投資は2四半期連続で下げ幅が縮小したものの、公共投資は4四半期連続で2桁減が続いている。政府支出はプラス2.7%で唯一の拡大。輸出はマイナス1.8%、輸入はマイナス3.3%となっている。



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